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2015.05.07

片付け豆知識

高齢者が物を捨てられない原因と価値観


 
近年「実家がゴミ屋敷」というお悩み、多数お問い合わせいただいてます。
 
特に高齢者となった親が、全く片付けられずにゴミ屋敷にしてしまうというケース。
 
これは認知症などの精神疾患や、身体的に不自由という体力的な問題が主な原因となっているようです。
 
 
ただし「親が物を一切捨てたがらない」というケース。
 
これは非常に問題です。
 
 
これは実家がゴミ屋敷であるということを引き金に、家族が崩壊しバラバラになる可能性すら秘めています。
 
 
「実家がゴミ屋敷で困っている。」
 
「親が物を何ひとつ捨ててくれない。」
 
「一緒に片付けようと説得するも、親が全く聞く耳を持たない。」

 
 
このようなお悩みを抱えている場合、そんな親の態度や考えが全く理解できないはずです。
 
 
「自分で片付けるからほっといて。」
 
「あなたには迷惑をかけてないでしょ。」

 
 
いくら説得しても、実家がゴミ屋敷化という問題に正面を向いてもらえない。
 
追えば追うほど逃げて行き、今ではスッカリ溝が生じてしまった。
 
それでも片付けないと不衛生だし、親の生活環境がとにかく心配・・・非常によく分かりますし、片付けなきゃいけないのは正論ですよね。
 
 
【成功事例】実家の片付け
 
 

高齢になると、なぜ物を捨てたがらないのか?


 
あなたの親御さんだけでなく、一般的に高齢者は物を捨てたがりません。
 
どうして高齢者は物を捨てたがらないのでしょうか?
 
 
≪時代背景の違い≫
 
シニア世代やシルバー世代と言われる高齢者たちは、「物が無い時代を必死に生きてきた世代」です。
 
特に戦争を経験している方々は日々の食べ物ですら確保できず、幼少の頃から家族が飢えに苦しんでいる人々を目の当たりにして育ちました。
 
つまり物に飢えている方たちばかりなのです。
 
 
当時の日本は「贅沢は敵だ」と教育していた時代です。
 
戦争という背景を考えると、そういう精神的な強さは「生き抜くための根幹にある教育」として、誰もが持ち合わせていた考えなのでしょう。
 
 
現代とは時代背景が全く違います。
 
高度経済成長期を過ぎてから生まれた人たちには、この教育論はなかなか理解されません。
 
 
仮に「親が物を捨てたがらない気持ち」を理解できたとしましょう。
 
しかしながら「現代の一員として生活するには、その価値観を変えてもらわないと困る。」というのが一般的な主張ではないでしょうか?
 
 
実家の片付けと親との確執。家族の役割とは?
 
 
≪自身の衰えと自尊心≫
 
また人間は高齢になるにつれ、色々なことができなくなって行きます。
 
もちろん老化のスピードは人それぞれですが、人間は皆平等に年をとり、いずれ誰か(何か)を頼って生きて行くことでしょう。
 
 
今まで誰にも頼らず強く生きてきたのに、ちょっとした事ができなくなったり、しっかり記憶に留めておけなくなったり・・・
 
「自分が誰かに迷惑をかけているのではないか?」
 
高齢者になるとこの考えが浮かぶようになり、そしてこの考えを受け入れられずにいます。
 
 
様々な逆境を乗り越えて来た人は、基本的に高い「自尊心」「自立心」を抱いています。
 
「子供に迷惑だけはかけたくない!」そんな気持ちを抱いた親御さんは、色々な「物」で自分自身を補おうとする傾向にあるのです。
 
 
例えば記憶に不安がある場合は、メモ紙や新聞紙等を全て保管したり、友人から頂いた何十年前の記念品等を全て保管してしまう。
 
既に何十年も生きて来られたわけですから、若い人たちの何倍もの記憶や思い出があるわけですよね。
 
 
自分の記憶では留めておけないので、物に照らし合わせて脳裏に留めておきたい。
 
その人生の記憶や経験、様々な思い出や生きる価値を、「物」に移入していると言った方が正しいかも知れませんね。
 
つまり「物=自分の人生」となり、全ての物が「生きて来た証」となるわけです。
 
自分の生きて来た証ですから、絶対に捨てたがらないのも無理はありません。
 
 
親が片付けられない!高齢者の部屋片付け
 
 

高齢者の価値観と現実生活との相違


 
一方で現代を生きる若い世代にとっては、何でもかんでも保管したがる親御さんの主張を許容することはできません。
 
私たちはこの世の中で生きて行かなければならず、とりわけ体力的に厳しくなってきた親御さんが、あらゆる物体に埋もれて生活することに、強い心配を抱くからです。
 
 
たとえ気持ちを理解できたとしても、生活して行く以上、そこには限度があります。
 
そもそも大量にある物を全く管理できていないという事実があるので、親御さんへの尊重を超えて、そこには危険と心配しかありません。
 
 
≪協会公認≫ゴミ屋敷片付け・清掃・改善の専門家に相談してみる
 
 

高齢者の片付けで心掛けるべきこと


 
このような高齢者の片付けですが、まず「自尊心を傷付けないこと」が大切です。
 
プロとしての経験上、これは絶対であり、最初に心すべき内容ですね。
 
 
そして具体的な対策としては、捨てずに保管できる保管スペースを作ること。
 
もし部屋の間取りに余裕があるようでしたら、1つの空き部屋を「思い出部屋」として用意してみるのはいかがでしょうか?
 
 
何故なら高齢者は物を捨てたがりませんが、保管してある物を自ら探し出して使用することも、ほぼ無理でしょう。
 
要するに捨てなければ良いわけで、「ただ持っている」ということでご本人は安心なのです。
 
 
まず尊重というか、心を満たしてあげて下さい。
 
その上で保管し切れない物に関しては、優先順位を付けて処分して行く。
 
 
また処分する物それぞれに「お別れを告げる機会を与える」ことも非常に重要なことです。
 
時間はかかりますが、納得して処分することで、無駄な言い合いは減って来るんですよ。
 
 
高齢者の部屋片付けで喜ばれるポイント
 
 
親と散々話し合い、ぶつかり合い、それでいて全く進展がなくお困りの方。
 
若い世代の方が柔軟ですし、残念ながら高齢者は何も変わりません。
 
 
全く使わなかったとしても、「物の用途が変わったんだ」と、若い世代が妥協する考え方も必要です。
 
 
例えば、食器は食事で使う物ですよね?
 
しかしながら、親御さんにとっては「家族での食事は楽しいな」「家族団欒の記憶を守るお守りなんだ」と考えることで、物を捨てる必要性も薄らいで来ます。
 
 
相手が高齢者の場合、物を捨てずに保管するというのも、実は立派な解決方法なんですよ。
 
 
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≪このコンテンツの筆者≫
筆者:平良 誠 (片付けられない.com代表)
 
【筆者が取得している資格】

  • 整理収納アドバイザー1級
  • 整理収納ベーシックコーチ
  • 発達障害コミニュケーション初級指導者
  • 遺品整理士
  • 事件現場特殊清掃士

 
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